キャットフードを選ぶ基準~パッケージの裏面~

大切な愛猫の毎日のご飯・キャットフード(猫えさ)を選ぶ基準は何でしょうか?
フードのパッケージの裏面は見ていますか?

package

○一番初めに「とうもろこし・小麦・大麦・米・大豆」などの穀類が書かれていませんか?

ペットフードの原材料表や成分表は、使用量・含有量が、多い順に記載するように定められています。
一番初めに書かれている原材料が、穀類(とうもろこし・小麦・大麦・米・大豆)であれば、穀類が一番多く使われているということです。

猫は穀類の消化が苦手だということはわかっていますが、猫にどのくらい穀類が必要かということについては、国内外の獣医師や猫の栄養学の専門家などの間でも、キャットフードの穀類は「原材料の35%までが望ましい」という意見や「穀類は必要ないが、炭水化物は若干必要という意見」、「炭水化物も全く必要ない」という意見など、さまざまな意見があるようです。

その中で2006年にアメリカ動物栄養学国立研究会議(NRC)は「十分なたんぱく質を与えられていれば犬・猫は炭水化物を全く必要としないようである」と発表しました。
また、2008年にアメリカ飼料検査協会(AAFCO)は「犬と猫が必要とする炭水化物の最低量はゼロである一方、たんぱく質は過剰供給になることはない」と発表しました。

もともと肉食である猫は、炭水化物を消化する消化酵素を持っていません。猫にとって炭水化物の取りすぎは泌尿器系の病気や、食物アレルギーの原因になる可能性が高いと言われています。それなのになぜ、キャットフードの多くに穀類が多用されているのでしょうか?穀類が多く使われているのはフードをカサ増しして、単価を下げるためです。つまり、キャットフードに含まれる穀類(炭水化物)は、できるだけ少ない方が良いといえます。

ではキャットフードに含まれる炭水化物の量はどのくらいでしょうか?
多くのキャットフードは成分表を見ても炭水化物の含有量は書かれていません。
(中には書かれているメーカーもあります)
成分表に書かれている蛋白質量・脂肪量・水分・繊維質量・灰分を引くことで、おおまかな炭水化物の含有量を計算することができます。(あくまでも、おおまかな数値です)

100-(蛋白質量+脂肪量+水分+繊維質量+灰分)=炭水化物
ごく一般的なエコノミーフードN社  100-(27+9+10+4.5+9)=40.5=炭水化物
プレミアムフードを謳うM社    100-(28+11+10+5+9+)=37=炭水化物
ウルトラプレミアムフードを謳うA社 100-(34+17+10+3+6)=30=炭水化物
オリジンキャット&キティ      100-(42+20+10+3+8)=17=炭水化物

プレミアムフードと言われるキャットフードにも、かなりの炭水化物が含まれていることがわかります。
キャットフードの炭水化物量は、できるだけ少ない方が良いということを念頭に、是非一度、今、愛猫に与えているフードの炭水化物量を計算してみてください。そして、愛猫の健康のために、炭水化物量ができるだけ少ないフードを選んであげましょう。

☆オリジンは「猫に炭水化物は必要ない」とのコンセプトですが、製品を製造する上でフードを粒状にするつなぎとして必要最小限の炭水化物が含まれています。この炭水化物は穀類ではなく野菜と果物に由来します。

○危険な原材料~レンダリングされたと思われる原料や4Dミートと思われる肉は使用されていませんか?

人が食べることができない部位から、肉骨粉や加水たんぱく質、動物性脂肪を製造する工程をレンダリングといいます。人が食べることができない部位だけでなく、牧場や運搬途中で死んでしまった動物の死骸や、路上で死んだ犬猫の死骸、殺処分された犬猫の死骸(毒物や殺虫剤が残っている死骸)が海外のレンダリング工場で「ミートミール・家禽ミール・家禽副産物粉・肉の副産物」に加工されペットフードの原料となります。

殺処分された犬猫の死骸(毒物や殺虫剤が残っている死骸)がレンダリングされていることは、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が認めていますし、アメリカ食品医薬品局(FDA)の検査では、犬猫の安楽死に使われる麻酔薬の成分がペットフードから検出されています。

日本でも2002年に路上などで死んだ犬猫の死骸の処理を、一般廃棄物処理の認可のない某市内の肉骨粉加工業者に委託していた問題で、某市が業者への委託を中止するという問題も起こっています。

DEAD…すでに死んでいた動物の肉
DISEASED…病気だった動物の肉
DYING…死にかけだった動物の肉
DISABLED…障害のあった動物の肉

これらの肉は4Dミートと呼ばれ人の食用には使えません。廃棄処分するのにもお金がかかります。
業者はそれをタダ同然の価格で引き取ってペットフードに使用します。

「○○ミール・肉類・魚類」などの曖昧な表現がされていたら、4Dミートが使われている可能性が高いと考えられます。「加水たんぱく質・動物性油脂」と書かれている原材料や、「ミートミール・家禽ミール家禽副産物粉・肉の副産物」と書かれている原材料は、レンダリングされた原材料の可能性が高いと考えられます。

ところが、レンダリング原料かそうでないかは、表示義務がないので飼い主には判断できません
原材料欄に肉の種類は曖昧な表現ではなく「鶏・七面鳥・サーモン・ニシン」など、原材料名がはっきり書かれているものを選ぶことが大切です。

○BHA・BHT・エトキシキン等の人工防腐剤や人工着色料は使用されていませんか?

BHA・BHT・エトキシキンは含有量は、ペットフード安全法で「三種合わせて150μg/g以下でなければならない」と定められています。つまりこの含有量以下であれば、法律上は使用を認められているということです。
参考:動物の愛護と適切な管理~環境省自然環境局~基準規格等

BHAはガソリンの酸化防止剤や殺虫剤に使われる保存料で、一般の人用の食品には使用されません。
油脂の製造過程で用いるパーム原料油やパーム核原料油に限り使用することができます。
BHTは人用には認可されていない人工防腐剤ですが、飼料用には使用されます。
エトキシキンも人用には認可されていない人工防腐剤です。枯葉剤の防腐剤として使用されたことが有名ですが飼料用に使用される場合、表示義務がないため、使用しているかどうか飼い主にはわかりません。
「BHA・BHT・エトキシキンは使用していません」と表示しているフードを選びましょう。

それから、猫は赤色を識別できません。キャットフードに赤や緑の着色がしてあるのは、「美味しそうに見えて猫が喜ぶだろう」と思う飼い主の目を楽しませるためと、原材料が原因で出来上がったフードの色に、ばらつきがあることを隠すためです。赤色の着色料は、発がん性が疑われている物質が多いといわれています。

人工防腐剤も人工着色料も、猫の何十倍も体の大きい人の体にさえ有害なのに、人に比べて小さな体の猫にはどれほどの害があるのでしょうか?ペットフードが肥満や皮膚病、アレルギーなど猫の現代病の原因といわれています。猫には不要(または消化が困難)な穀類を多用していること、レンダリング原料や4Dミート、人工防腐剤や人工着色料こそ、その原因ではないでしょうか?

プレミアムフード・ナチュラルフードと謳っていても、安心して与えられるフードとは限りません。
パッケージ裏面の記載事項から読み取れることがたくさんあります。
愛猫の健康のためにと選んだフードが、本当に安全なフードかどうか、是非、ご自分の目で確かめてみてください。

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