ペットショップ・ブリーダー・動物譲渡団体の利点と欠点

猫をどこから迎え入れるか

新しく猫を家族に迎え入れようと考えた時、ペットショップか、ブリーダーから直接か、それとも動物愛護センターなどの保護団体から迎えるかは、一度はかならず悩むところではないでしょうか?それぞれの利点と欠点、注意点をまとめてみました。

ペットショップ

利点

いつでも気軽に見に行くことができ、一度に何種類もの猫が見られます。
また、欲しい品種の猫を系列の店舗から取り寄せてもらうことができます。
購入直後の病気や病死に対して、補償がある場合があります。

欠点

生後2週~7週を仔猫の社会化期と呼び、この期間に子猫が親猫や同腹の兄弟猫、他の動物、人間などと幅広く接して育つと、将来人懐こくて社交的な猫に育ちます。また社会化期に母猫の元で育っていない子猫は、情緒的に不安定で将来、他の猫や動物、人間に対する恐怖心や攻撃性が現れます。ペットショップでは、幼齢で親と離され展示されていることが多く、社会性を身につけることができなかった仔猫がいることがあります。

ペットショップでは幼齢期に仕入れをするため、流通の過程でたくさんの他の仔猫と接触することにより、感染症に罹患していることもあります。
仕入れ後に各店舗に送られるため、両親の性格や気質、健康状態や遺伝性疾患の確認ができないことが多いです。
血統書付きとはいえ、国内でのみ通用する国内血統書が多く見られます。

注意点

店内のケージは、排泄物がきれいに片づけられ、清潔な飼育環境で、店員が猫の飼い方、親猫の性格や体質についてなどの質問に、適切に答えられるショップを選びましょう。また適切な時期にワクチン接種しているか、購入直後の病気や病死に対して補償があるか、子猫の現在の健康状態についても質問して確認しておくことが大切です。

ブリーダー

利点

ブリーダーから直接、子猫を購入する場合、猫舎を見学させてもらうことで、両親の状態や性格を確認できます。
卸仕入れなどの仲介がないため、優良な血統の純血種の仔猫を、適生な価格でペットショップに比べ安価に購入できます。
ブリーダーの管理の元、母猫の元で生後8週または12週まで育てられるため、社会性が身に付き、情緒的に安定した人懐こく性格が良い子猫に育っています。
国内血統書はもとより、必要に応じてTICAまたはCFAの国際血統書を付けることができます。
飼育についてブリーダーから、猫種に応じた適切なアドバイスを受けることができます。
購入直後の病気や病死に対して補償がある場合があります。

欠点

個人で事業されているブリーダーが多いため、場所がわかりにくいことが多く、また見学には事前に予約が必要です。
欲しい猫種のブリーダーが遠方の場合、現物確認(見学など)と対面説明を受けるための手間と時間がかかります。
ペットショップとは違い、いつでも仔猫がいるわけではないので、毛色や雄雌など希望の子猫が生まれるまで、待たなければならないことがあります。
乱繁殖防止のため避妊去勢手術後に血統書を発行する、定期的に仔猫の状況など報告して欲しいなど、販売に際し若干の条件を付けられることがあります。

注意点

個人事業であっても、ブリーダーは必ず第一種動物取扱業に登録しなければなりません。
きちんと第一種動物取扱業に登録し、標識を掲げているか確認しましょう。
猫舎の見学の際に、親猫を見せてくれるか、また飼い方やアフターフォローの説明があるか、購入直後の病気や病死に対して補償があるかについても確認しましょう。
ブリーダーは国内血統書を発行する方が多いですが、中には信憑性に欠ける私製血統書を発行するブリーダーがいるそうですから注意が必要です。

動物愛護施設(動物愛護センター・動物保護団体など)

利点

相性や性格の確認のためトライアル期間を設けていることがあります。
ワクチン・避妊去勢手術費などの実費負担程度で譲り受けることができます。
失われる命を救うことができます。

欠点

血統書が付いていない雑種が多く、実年齢(月齢)はわかりません。
譲渡後の病気や病死に対して補償がありません。
保護される前にすでに感染症に罹患していることが多く、中には猫エイズや猫白血病のキャリアがいます。
譲渡後に定期的な現況報告を強要されることが多くあります。

注意点

譲渡前に飼育環境を確認するため、家庭訪問が何回かアポ有りアポ無しで行われることがあります。
身分証明書、収入証明書の提出、家族構成、勤務先、転勤の有無、子猫だけで留守番する時間など個人情報に係ることを確認されることがあります。
年齢の上限(概ね50歳)、年収、一人暮らし、長時間(8時間以上)の留守など、譲渡できない条件が厳しく設定されていることがあります。
基本的には、ワクチン・避妊去勢手術費などの実費負担程度で譲り受けることができますが、それ以外に寄付を要求されることもあります。

どこから猫を迎えるかは、それぞれのご家庭の状況や希望などで、違ってくると思います。この記事が猫を迎える参考になれば幸いです。最終的に、どこから迎えられたとしても、その子猫は、あなたに幸せと癒しを与えるかけがえのない伴侶になるでしょう。どうぞ適正飼育と終生飼養をお願いします。

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